漫画「賭ケグルイ」の感想。いそうでいない美少女ギャンブラー。

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今まで存在を知っていたんですが読んだことがなかった漫画「賭ケグルイ」。

アニメ化やドラマかもしていたんですが、何故か読むのをためらっていましたが読んでみたら面白くて1日で全巻を2週しちゃうほど没頭してしまいました。

今回はギャンブル漫画の賭ケグルイの感想を書いてみました。

ネタバレがかなりあるので読む際はご注意を。

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リスクをあえて負う戦い方をする主人公は良いと思った。

「絶対に勝つ勝負も絶対に負ける勝負も嫌いなんです。」

女性版の斑目獏とも言うべき主人公の蛇喰 夢子が言ったセリフですがこの漫画はこの言葉に集約されてます。

夢子は他のギャンブル漫画の主人公と違いイカサマを完全に見抜いても、あえて運の要素を残して戦うというリスクを負った戦い方をします。

なので夢子が勝つんだろうなという勝負でも普通に負ける事もあります。

だから「どうせ主人公が勝つんでしょ」というような結末が決まったような展開が少ないです。

また負けてもケロッとしており、さらにギャンブルをする姿勢はまさに賭け狂いにふさわしい主人公だなと読んでいて思いました。

主人公の味方も実はかなりの切れ者

賭ケグルイには早乙女 芽亜里という生徒がいます。

・最初に主人公の夢子との勝負で1000万近い借金を負い、奴隷の階級に成り下がる。

・2戦目でも奴隷になってから、生徒会の一人と借金の返済を賭けた勝負をして5000万を超える借金を負い、もうどうにもならない状況になる。

という典型的なモブキャラのパターン。

「銀と金」で言えばまさに西条と同じような立ち位置だったんで、もうほとんど登場することもないんだろうなと読んでて思ってました。

ところがその後の木渡戦では大会のルールの盲点を突いて夢子と協力して勝利し、借金を返済。

そして生徒会選挙編では毒を盛られた夢子を助ける為に実質一人で二人相手に勝利。

と「何この子、めちゃめちゃ強いやん」という具合に復活を果たし、第二の主人公と言えるくらいの存在になっています。

こういう敵として登場して負けてしまったキャラが復活して、しかもそのキャラが主人公に匹敵するほど強いというのは個人的には意外性があって面白かったです。

ギャンブルの内容自体は面白い

賭ケグルイで行われるゲームでは良くあるポーカーなどのオーソドックスなギャンブルもありますが、「生か死か」や「扉の塔」などのような聞いたこともないギャンブルが出てきます。

中でも夢見弖ユメミ戦での「一流アイドル決定戦 バトっていいとも!」というアイドル対決の様に女性が主人公だからこそ成り立つゲームはギャンブル漫画として新鮮でした。

個人的には賭ケグルイではお金を賭けていないギャンブルのほうが面白かったです。

大人が登場しないので説得力に欠ける部分がある様に思えた

ギャンブルの内容や駆け引き自体は素直に面白いと思いましたが、なんかしっくりこないなぁと読みながら感じていた部分もありました。

それは百華王学園の制度と大金を賭けているという説得力です。

私立百華王学園ではポチ・ミケ制度という生徒会に支払う上納金が下位100位になると学園では「家畜」という名で奴隷の様に扱われる階級制度があります。

奴隷に成り下がると平民以上の階級の人には何をされても文句が言えません。

何をされてもということは暴力だけではなく、恐喝やあんなことやこんなこと(ここでは書けませんが)も含まれるわけですが、この秩序を学園内でどのように維持しているのかの背景がさっぱり見えてきませんでした。

例えば同じギャンブル漫画でも「カイジ」の場合だと帝愛グループの会長である兵頭和尊と帝愛グループの黒服。

「嘘食い」では賭朗という倶楽部の立会い人という圧倒的な暴力、そして公平さを遵守している存在がいます。

なので大金を賭けた勝負に関しても説得力や納得感が生まれてきます。
こんな感じでギャンブル漫画では大金を賭けた勝負には大人が出てくる事が多いんです。

でも賭ケグルイではお金持ちの子供が集う学園という設定がありますが、大人は出てこずほぼ学生しか登場しません。

なので生徒同士が簡単に1000万以上のお金をポンポン賭けている姿を見ても素直に「すっごい金額を賭けて勝負をしているなぁ」とは思えませんでした。

その点、選挙会長選挙編はお金が動くわけではないので純粋にゲームの内容と決着に一喜一憂できるのでとても良かったです。

そしてもう一つ、生徒会に逆らったらどうなるのかという具体的な描写がないので選挙管理委員長の黄泉月 るなや委員の人がすごんだ顔をしても

「生徒会に逆らったらやべぇよ」

というような生徒会の威厳の様なものをあまり感じとることができませんでした。

秩序の維持や公平を保つには圧倒的な暴力の存在は必要不可欠なんだなと賭ケグルイを読んで感じました。



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